大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和36(あ)2815 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人熊谷誠の上告趣意第一点について。

原判決の支持した第一審判決によれば被告人は昭和三五年一一月二〇日施行され

た衆議院議員総選挙に際し(中略)かねて右選挙に立候補の決意を有していたAの

選挙運動者であるB某及C某両名から右Aに当選を得せしめる目的で投票取りまと

め方を依頼されその報酬として現金の供与をうけたものであるというのであり、こ

のような場合はやがて施行されるであろう選挙の運動というを妨げないものと解さ

れるから、所論のように選挙が特定されていないものというを得ない(大審院昭和

一一年(れ)第一〇〇二号同年七月六日第二刑事部判決刑集一五巻九四三頁参照)。

なお、所論指摘の当裁判所昭和二九年(あ)第一七九七号、同三〇年二月一〇日第

一小法廷決定刑集第九巻第二号二四〇頁以下の判例はこれを変更するの要を見ない

こと勿論である。所論は憲法三一条違反をいうが、実質は結局右の点に関する単な

る法令違反の主張をいうものに外ならない。それ故所論は採用できない。

同第二点第三点は事実誤認の主張に帰し、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

よつて、同四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文

のとおり決定する。

昭和三七年四月一二日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 高 木 常 七

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